全国高校総文祭 美術工芸部門

<2017宮城総文>第41回全国高等学校総合文化祭 美術・工芸部門〈宮城大会〉

事業名
第41回全国高等学校総合文化祭美術・工芸部門〈宮城大会〉
会期
7月31日~8月4日(金)
会場
宮城県立美術館
県代表参加生徒数
12人
参加校
沼田、熊野、広島国泰寺、安芸、神辺、府中、基町、安芸府中

仙台市内にて第41回全国高等学校総合文化祭「みやぎ総文2017」が7月31日~8月4日まで開催されました。広島からは生徒12名、教員11名の計24名が7月31日~8月2日の3日間、2泊3日の日程で参加しました。

大会初日は宮城県立美術館にて展示作品を鑑賞した後、仙台駅周辺で行われたパレードを見に行きました。全国から集まった優れた作品の数多くを見て多くの刺激を受け、パレードでは様々な地域の高校生たちのエネルギッシュなパフォーマンスに圧倒されました。

翌朝、東日本大震災で津波の被害を受けた若林区にバスで移動しました。そこで被災直後の写真・映像等を展示する遺構として公開されている荒浜小学校を見学させていただきました。様々な資料を見て解説を聞く中で、改めて津波の脅威を知るとともに、防災について考えさせられました。

午後からは仙台国際センターに移動し、開会式および作品講評会に参加しました。「ジョジョの奇妙な冒険」などで知られる漫画家・荒木飛呂彦先生による作品講評会では、展示作品を荒木先生独自の視点で講評していただいたほか、キャラクター作りや絵を描く際に考えていることなど、様々なお話を聞くことができました。質問時間には多くの生徒が積極的に質問を行い、荒木先生の言葉にしっかり耳を傾けていました。

最終日は、作品交流会及び七夕飾り制作グループワークに取り組みました。様々な地域の生徒と作品について語り合い、交流する中で、様々な発見・学びがあったようです。広島の参加生徒たちは、皆生き生きとした表情で会場を後にしました。

 「みやぎ総文2017」へ参加し、改めて全国の美術を学ぶ高校生たちの優れた作品や熱意に感銘を受けました。また、宮城の生徒・先生方のあたたかい心配りがとても有難かったです。昨年の広島大会から、良いバトンが繋げていることを実感できた大会でした。

引率代表 鈴木 遥子
(広島市立基町高等学校)

県代表選考作品


参加生徒によるコメント

安芸高校 2年 上加亮太
 今回初めて全国総文に参加しました。初日は作品が展示されている宮城県美術館に行きました。どの作品も手が込んでいて、凄く興奮しました。画力が凄過ぎて、皆さんプロになれるのでは?と思いました。特に印象に残ったのは、絵画の上に段ボールでカメラを作っていた作品です。アイデアもデザインも素晴らしく、印象に残っています。自分は物作りが好きで、絵を描くのも好きなので、自分も立体プラス平面の物をやってみようかなと思いました。色々な凄い作品が沢山あったので、これからのデザインや美術関連で役立つような良い経験になりました。自分たちの作品も結構講評で嬉しかったです。
 東日本大震災被災地の小学校にも訪問しました。改めて津波の恐ろしさを感じました。自分たちと同年の人が被災していて、更に震災についての恐ろしさを感じました。次にこのような事が起きても、死者をあまり出さないようにしてほしいです。地震と津波の恐怖がトラウマになって。時が経つにつれ被災地を訪れることが出来なくなっていく人もいらっしゃると聞きました。最悪だったんだろうなと想像しました。しかし今もなお復興に向けて前に進む人たち。凄いなと思いました。そういう人を応援したいと思いました。自分も何か困っている人に協力したいです。東北を日本中、世界中の人々の応援が被災地の復興にとても大切な支えなのだと思いました。
 午後から荒木さんの講演を聞きました。やはりプロの考えることは凄いなと思いました。ジョジョのキャラやアニメの内容一つ一つに意味がある。自分もそういう作品作りをしたいなと思いました。
 また、全国の人と交流できました。いろいろな意見交流が出来てよかったです。仙台七夕祭りのことについても、自分たちの知らないことを知ることが出来て、いい経験になりました。今回は色々な人と交流して意見をもらい、とても楽しかったです。友達も増えてよかったです。まさか初対面の人とご飯に行くとは思いませんでしたが、とても楽しく、この経験を、将来の自分の進路に活かしていきたいです。

広島国泰寺高校 2年 中村歩里
 私はみやぎ総文に参加して多くの感動を得ました。その中でも大きな2つの感動があります。
 まず、荒木飛呂彦先生の講演についてです。なかなかされない芸術の話を聴くという貴重な体験ができました。荒木先生は「描き続けること」が大切だとおっしゃっていました。高校生のうちに描き続けて何かを発見することは、これからの美術の制作に大きな影響をもたらすのではないかと思えたので強く印象に残りました。
 次に、総合文化祭のレベルの高さについてです。全国から選ばれた作品が並んでいたので、目を奪われることもしばしばありました。交流会では、他県の生徒から作品に対するこだわりを感じました。自分の表現したいことを表現できるよう考えられて制作されていることを知りました。私にとってよい刺激になりました。
 この3日間を経て、多くのことを学びました。絵の持つ表現力を知り、絵に対する向き合い方など、自分には改めなければならないことが数多くあることを実感しました。今回学んだことを糧にしながら、これからも制作に取り組み続けていきたいと思います。

沼田高校 2年 松田剣輔
 自分も全国への切符を手にした身なので、自分と同じぐらいのレベルの作品が展示されるのを予想していましたが、土俵は同じでも方向性がまるで違いました。大胆な構図で気迫溢れる作品、緻密で繊細な美しい作品、写真と見違えるようなリアルな作品、どの作品も個性豊かで、同じようだと感じる作品はほとんどありませんでした。若い感性が持つ柔軟な発想が込められていてとても見応えがありました。何より凄いと思ったのが、その柔軟な発想を生かして創造された世界観を、たった1つの作品だけで鑑賞者へと見せつけるその描写力です。発想だけで何がやりたいのか分からない作品ではなく、「自分はこれが良いと思うから見てほしい」というような意志が伝わってくる作品が多くありました。特に油絵は、プロが描いたと言っても信じてしまうような作品が多く、その中で高校生らしい発想が生きていて、とても不思議で魅力的でした。
 ジョジョの荒木先生の作品講評では、まさか自分の作品が選ばれるとは思わず、ファンではないのですが、名前が呼ばれた瞬間頭の中が真っ白になりました。もし、自分が熱狂的なファンだったらと思うとぞっとします。
 ともあれ3日間での体験はとても貴重なものでしたが、懐古する気持ちより、来年も全国に選ばれたいという気持ちの方が遥かに大きいです。これをばねにして、来年は長野に行けるよう、頑張ります。

基町高校 3年 今村遥香
 私は、今回「みやぎ総文2017」へ参加し、貴重な体験を通して様々な刺激を受けることができました。宮城到着後、まず初めに感動したのは、宮城県立美術館に展示された作品の数です。全国から集まり、豊かな発想と高い技術によって生み出された数多くの作品を見て回ることは、私にとって驚きの連続でした。「これからどのような作品を描いていけばよいか」と悩んでいた私にとってとても参考になり、学びを深めることができる作品ばかりでした。
 翌日、東日本大震災の遺構である荒浜小学校を訪れました。私はこのような被災地に足を踏み入れるのは初めてでした。そこでは津波の被害を受けた痕跡が色濃く残っており、普段テレビのニュースでしか見たことない景色に圧倒されてしまいました。また、見学の際に当時の状況について詳しくお話をしていただきました。実際に地震や津波が来たときの対処法についての話や、そして救助活動の最中に亡くなられた消防員の方のことや当時の具体的な状況など、私にとって衝撃的な話の数々でした。これから先、私たちがどのように生きていくべきかを考えさせられる貴重な経験となりました。
 その後、仙台国際センターにて漫画家の荒木飛呂彦先生による作品講評会がありました。先生独自の視点による作品講評や、先生自身がキャラクターのポーズをどのように生み出すか、などの漫画についての興味深い話を聞くことができ、メモ欄がぎっしり埋まってしまいました。
 最終日の交流会は、他県の人たちと意見を交換する絶交のチャンスでした。風景を描くことを好む私とは対照的に、人間を描くことが好きな人や、スケッチを三原色で描くことにこだわる人、映像表現で液体をこぼすシーンを入れることが好きな人など、独特な感性を持つ人がたくさんいるという共通点を発見できて嬉しかったです。
 この3日間、知らない土地でたくさんの素晴らしいものを見て学び、多くの経験ができました。「みやぎ総文2017」への参加は、これから私が絵を描いていくうえで大きなプラスになったと思います。宮城の先生・生徒のみなさん、3日間、ありがとうございました。

沼田高校 3年 橋本鈴
 私は今回の全国総文を通して、全国の技術の高さを学びました。全国から集められた作品の数々を見てみると、全国的に非常にレベルが高く、中には同じ高校生が描いたとは思えない程に練り上げられた作品もあり、自は井の中の蛙であったのだなと感じさせられました。
 交流会では自分の作品に対する認識を改めて再確認する事が出来たし、それを人に伝え、また人の作品に対しての理解を深めるための良い機会になりました。
 2日目の講演会では尊敬する荒木飛呂彦先生から直接お話が聞けて大変に嬉しく、また実りある経験をすることが出来ました。荒木先生がどのような作品のどこが良いと思ったかを知ることが出来てその作品の魅力をしっかりと学べました。
 仙台で過ごした3日間はとても密度が濃く学べることが沢山有りました。この3日間を経験できた事は、私にとって非常に有意義なことでした。学んだことを無駄にせず、これからに活かしてゆきたいと思います。

熊野高校 3年 井出元咲良
 私はみやぎ総文に参加してとてもいい思い出をつくることができました。最初は一緒に宮城へ行く他校の人たちとうまく打ち解けるかどうか不安でしたが一緒に県大会に選ばれた友人の明るさのおかげでなんとかコミュニケージョンをとることができました。講演会では「ジョジョの奇妙な冒険」の作者である荒木飛呂彦先生の講演があり、そこではレオナルド・ダ・ヴィンチが「モナリザ」をずっと描き続けたように「自分がまだ描けると思ったらまだ描ける。もう終わりと思ったらもう終わり。」という言葉を聞き、荒木先生の絵を描く思いが伝わりました。美術をする人に対してはとてもいい勉強になったと思います。交流会では明るい友人を見習って明るく振る舞い、グループ全員で話し合いをすることができました。会話では自分たちの地方の方言や特産物、また自分の趣味などで場を盛り上げることができました。自分たちの作品を講評会でもそれぞれの作品に対する思いや技法を知り、自分の視野が少し広くなったように感じました。その後の七夕飾り作りでは宮城県で昔から受け継がれている七夕飾りの制作を通して七夕の由来や込められている思いを知ることができ嬉しかったです。今回のみやぎ総文では多くの人とつながりを持ち、自分が今まで知らなかったことが学べてよかったです。この経験を自分の新たなる作品制作への糧としてこれからも頑張っていきます。

熊野高校 3年 岸川輝良々
 私は今回みやぎ総文に参加させていただき、たくさんのことを学びました。全国の作品レベルの高さに驚いた一方、いろいろな技法や材料などさまざまな工夫で作品を表現してあることがとてもおもしろくてとても勉強になりました。また、2日目の荒木飛呂彦先生の講演会の際、生徒が「期日までに作品を完成させることが難しい事があり、そんな時先生はどうなさいますか。」という質問に対し、「高校生の内はとことんこだわってもいい。作者が完成だと思わない限り、その作品は完成することがない。」とおっしゃっていたのが、心に残りました。自信を持って「完成だ。」といえる作品を作っていきたいと思いました。3日間の交流会では、グループの作品を見て回り、その中でそれぞれの作品に対する意見なども聞けて嬉しかったです。美術を通し、他県の方と交流をすることができた事はとても勉強になり貴重な経験になりました。今回の経験をこれからの作品づくりに生かしていきたいと思いました。