第37回広島県高等学校実技研究大会(鑑賞交流会)の様子を掲載しました。
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第27回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 令和5年8月2日(水)~4日(金)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市市民会館 尾道市街 他
- 参加生徒数(校数)
- 203人(28校)
- 参加校
- 広島皆実 呉宮原 三原 尾道東 福山誠之館 福山葦陽 加計 吉田 三次 河内 安古市 福山明王台 広島井口 祇園北 高陽東 三次青陵 庄原実業 尾道商業 福山商業 戸手 県立広島 総合技術 市立福山 ひろしま協創 安田女子 暁の星 新庄 尾道
昨年度までは新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、現地集合現地解散を基本とし、尾道市立美術館での開会式、尾道市役所での閉会式の開催を見送っておりましたが、今年度は新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行されたということもあり、開会式と閉会式を例年通り実施いたしました。
各校の顧問の先生方には猛暑の中での制作で生徒の体調管理と感染予防対策に細心の注意を払いながら3日間の指導を行っていただき、無事に3日間の大会を終えることができました。
3日間という限られた制作時間の中で、周囲と切磋琢磨しながら集中して作品を完成させることは、同時に自分自身と向き合うことにもつながります。一方で、尾道の地元の人や観光客との人とのふれあい、部活動の仲間や他校の生徒、先生との交流という外部とのつながりも生まれる本大会は、ものの見方や描写力といった技術の向上だけでなく、生徒の人間的な成長に大きく貢献しています。そのような経験を通して完成した作品は、どれも非常に熱のこもったもので、見応えがあるものばかりでした。
今回最優秀賞を受賞された祇園北高校の蔵永莉子さんの作品は、踏切がある階段の風景を誠実なタッチで描いているものです。階段に落ちる光と影を中心に直角三角形のパターンでリズムを持たせ、視線誘導が巧みな構図となっています。全体的なトーンが美しく、からりとした空気感すら伝わってくる秀作です。
今年度は、閉会式を実施できたこともあり、参加生徒たちが直接受賞作品を鑑賞することができました。以降の作品制作のモチベーションにもつながったのではないでしょうか。この夏の経験を経て、より一層充実した作品制作をしてほしいと願っています。
このように充実した大会が行えますのも、参加生徒自身の意識の高さと、その生徒を指導し、大会の運営に様々な形で関わってくださった顧問の先生方のご尽力のおかげです。心より感謝申し上げます。本大会の共催として尾道市立美術館様並びに、審査会場を提供していただいた尾道市役所様に厚く御礼申し上げます。
来年以降もこの大会を盛り上げ、さらに発展させるために皆様のご理解ご協力をお願いいたします。
大会運営委員長 佐々木 優
(広島県立尾道東高等学校)
第26回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 令和4年8月3日(水)~5日(金)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市市民会館 尾道市街 他
- 参加生徒数(校数)
- 146人(26校)
- 参加校
- 広島皆実 呉宮原 尾道東 福山誠之館 福山葦陽 加計 三次 河内 安古市 福山明王台 広島井口 神辺旭 祇園北 高陽東 三次青陵 庄原実業 尾道商業 福山商業 戸手 因島 総合技術 ひろしま協創 安田 福山暁の星 如水館 広島新庄
例年,3日間の現地制作ということで,指定の宿泊地に分かれ2泊しての活動としていましたが,今年度も新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から,昨年度同様現地集合現地解散を基本とし,尾道市立美術館での開会式,尾道市役所での閉会式の開催を見送りました。
各校の顧問の先生方には猛暑の中での制作で生徒の体調管理と感染予防対策に細心の注意を払いながら3日間の指導を行っていただき,無事に3日間の大会を終えることができました。
3日間という限られた制作時間の中で,周囲と切磋琢磨しながら集中して作品を完成させることは,同時に自分自身と向き合うことにもつながります。一方で,尾道の地元の人や観光客との人とのふれあい,部活動の仲間や他校の生徒,先生との交流という外部とのつながりも生まれる本大会は,ものの見方や描写力といった技術の向上だけでなく,生徒の人間的な成長に大きく貢献しています。そのような経験を通して完成した作品は,どれも非常に熱のこもったもので,見応えがあるものばかりでした。
今回最優秀賞を受賞された因島高校3年上田琉嘉さんは昨年度も最優秀賞を受賞しており,本大会2連覇を果たしました。この度の作品『尾道の風景』も商店街の八百屋さんの様子をノスタルジックに切り取る視点のみずみずしさと,それを描き切る描写力の高さには目を見張るものがありました。
昨年度に引き続き,閉会式での受賞作品の発表の代わりとして,web美術館を設置いたしました。他の参加生徒の作品を広く鑑賞し,素晴らしい作品を紹介することができました。
コロナ禍においてもこのように充実した大会が行えますのも,参加生徒自身の意識の高さと,その生徒を指導し,大会の運営に様々な形で関わってくださった顧問の先生方のご尽力のおかげです。心より感謝申し上げます。本大会の共催として尾道市立美術館様並びに,審査会場を提供していただいた尾道市役所様に厚く御礼申し上げます。
来年以降もこの大会を盛り上げ,さらに発展させるために皆様のご理解ご協力をお願いいたします。
大会運営委員長 佐々木 優
(広島県立尾道東高等学校)
優秀賞
第25回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 令和3年8月4日(水)~6日(金)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市市民会館ほか 尾道市街
- 参加生徒数(校数)
- 89人(20校)
- 参加校
- 呉宮原,五日市,福山商業,吉田,加計,河内,祇園北,福山葦陽,府中東,安古市,庄原実業,広島皆実,戸手,尾道東,因島,三原,暁の星,総合技術,三次,尾商
昨年度,長年続けてきたこの写生大会もコロナ禍の中で残念ながら中止と判断せざるを得ませんでしたが,今年度は参加人数を例年の半数以下に制限し開催することとなりました。また例年,3日間の現地制作ということで,4か所の宿泊地に分かれ2泊しての活動としていましたが,基本的に現地集合,現地解散とし,尾道市美術館で行っていた開会式,尾道市市民会館での閉会式を参加生徒が集合することなく,直接写生する現場に行っての制作となりました。
引率,指導される各校の顧問の先生方には,例年に増す猛暑の中での制作で生徒の体調管理と感染予防対策に細心の注意を払いながら3日間の指導を行っていただき,特に体調を崩す参加生徒を出すこともなく,無事に3日間を過ごすことができました。
本大会では生徒にとって描写やものの見方などの技術の向上だけでなく,尾道の地元の人や観光客の人とのふれあいや交流が人間的な成長に大きく貢献しています。1年開けてしまった今大会でも商店街や路地で描く生徒の様子を見て,地元の人々から温かい応援の声や冷たい飲み物の差し入れをいただき,多くの生徒がどれだけ励みになったことでしょう。
今回最優秀賞を受賞された因島高校2年上田琉嘉さんの作品『小路』はノスタルジックな雰囲気の路地の先に明るく輝く石階段,手前に「今」を感じさせるラーメン屋さんの幟,そこのに暮らす人々の生活を感じさせるものでした。
例年行っていた審査会後の閉会式での受賞作品の発表も今年はできませんでしたが,これまでにない取り組みとして,2学期の学校が始まりその後に受賞作品のWeb美術館を設置し,参加した美術部の生徒に広く鑑賞し,素晴らしい作品を紹介することができました。
この大会の共催として尾道市立美術館様並びに審査会場を提供していただいた尾道市市民会館様に厚くお礼を申し上げます。
大会運営委員長 藤井 啓二
(広島県立府中東高等学校)
第24回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 令和元年8月7日(水)~9日(金)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市市民会館 ほか
- 参加生徒数(校数)
- 234名(35校)
- 参加校
- 福山誠之館 呉宮原 高陽東 賀茂 神辺旭 比治山女子 福山商業 吉田 熊野 三次青陵 加計 日彰館 河内 市立福山 祇園北 福山葦陽 ひろしま協創 山陽 府中東 安古市 福山工業 大門 庄原実業 如水館 広島井口 広島皆実 廿日市 戸手 尾道東 因島 三原 暁の星 総合技術 三次中高 県立広島
24回を数える本大会も例年と同じく200名を超える生徒が参加し開催されました。
本大会では,生徒にとって描写やものの見方などの技術の向上はもちろん,尾道の地元の人や観光客の人とのふれあいや,多くの仲間や他校の先生との交流が人間的な成長に大きく貢献しています。周囲の生徒たちと切磋琢磨しあいながら制作し,最終日には大きな達成感を味わった生徒がほとんどではないでしょうか。完成した作品はどれも生徒たちの熱のこもった作品で,非常に見ごたえのあるものばかりでした。
毎年このように充実した大会が行えますのも,参加生徒自身の意識の高さと,その生徒を指導し,大会の運営にさまざまな形で関わって下さった顧問の先生方のご尽力のおかげと感謝いたします。さらにこの大会の共催として美術館などの場所の提供や運営の面での細かなサポートをしていただいた尾道市立美術館様,道端で絵を描く生徒に優しくお声かけいただき,見守ってくださった尾道市の皆様に厚くお礼を申し上げます。
また来年以降もこの大会を盛り上げ,さらに発展させるために皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
大会運営委員長 藤井 啓二
(広島県立府中東高等学校)
奨励賞
生徒感想文
①「二度目の尾道」 広島皆実 2年 堀 愛深
私は,この大会に昨年も参加しました。昨年はなかなか思い通りに描けず,先生に沢山の迷惑をかけてしまい,悔しい思いでいっぱいでした。二度目の大会では悔いのない作品づくりをしようと挑みました。
昨年の作品には尾道らしさがあまりないと感じたので,今年の作品は階段をメインとしたレトロな雰囲気を出すため,アイスブルーでまとめた絵にしました。制作途中に沢山の地域の方や観光客の方が,「尾道らしい絵でいいね。」「きれいな色だね。」など,声をかけてくださいました。先生方や同じ部活の子にもたくさんアドバイスをもらってこの作品ができました。今だからこそ描ける景色がある,そう思わされた大会でした。私一人では決してこの作品を作り上げることはできなかったと思います。この大会に関わった全ての方々に感謝しています。ありがとうございました。
②「昨年からの成長」 加計 2年 池野 春菜
今回の「尾道を描く」写生大会の参加は2回目でした。今年は昨年の経験を生かして描く場所を事前に決めて臨みました。その場所は,商店街から少し横道に入った路地です。暗く影になり,奥に光が通り抜ける感じが,尾道らしくていいなと思いました。私が描いていた場所はバイクや自転車,地域の方など人通りが多く,迷惑をかけてしまったかもしれません。ですが,「暑いなかよく頑張るねぇ」「どこから来たの?」など声をかけて下さり,とても嬉しかったです。また,昨年以上にたくさんの先生方に自分の作品を見てもらえて多くのアドバイスをいただくことができ,また,自分からも分からない部分を質問して作品を改善することができました。そのおかげもあって,今年の作品は自分の好きな作品に仕上げることができました。その一方で,今大会で自分の課題も多く見つかったので,今後の作品制作に生かしていきたいと思います。3日間ありがとうございました。
③「大切にしたい思い」 賀茂 2年 平井 綾乃
昨年は参加しなかったので私にとっては今年が初めての写生大会でした。実際に参加してみると思った以上に規模が大きく、多くの高校生が集まっていることに驚きました。正直風景画の経験はほとんどなく、むしろ苦手なほうなので、3日間という短い時間で上手に描けるのか、そもそも完成までに行きつけるのか。絵の上手そうな人たちに囲まれて、なんで自分がこんなところにいるのだろうとも思いました。でも来たからには頑張りたいと思い、一生懸命描いてみたけれど技術が全然足りてない。他の人とついつい比べてしまう。それでも、講評会のとき一人の先生の「自分が楽しんで描けばいい。」という言葉には救われました。もちろんそれだけではダメだけれどそこを忘れてしまってもこの先上達しないと気づきました。今回、けっして満足のいく作品ではなかったけれど、この大会を通して得た技術だけではない様々な発見を糧に、いつか満足のいく作品を描きたいです。
④「尾道を描く」 河内 1年 麓 伸太郎
私は今回宿泊をして,1つの絵に長い時間をかけて挑戦することはほぼ初めてだった。これまではスケッチブックなどに描くことは多くあったけど,キャンバスに描くことは初めてで,緊張した。大きなキャンバスに構図を考えてバランスよく,自分の選んだ風景をとり込むのか結構悩んだが,先生方に「大きさのバランス」「絵の主役を何にするか」などのことをアドバイスをもらい絵の形をどのようにしていくかが何とか決まった。2日目,3日目はアドバイスをもらったことに意識をし,色入れなどをしていった。先生たちから黒はあまり使わないほうがよいとアドバイスをもらい,3原色などを使い色をつくった。3日目の最後のギリギリまで時間をかけてしまったが,絵の色をすべて入れることができた。今回この大会に参加したことで絵を描くおもしろさを改めて知った。
⑤「 尾道を知る」 熊野 3年 服部 理久斗
今回の尾道を描く写生大会では、描くという事はどういう事かを考えることができました。この3日間で私は尾道を描くという事は尾道を知るという事だと考えました。実際に現地で見て描くのと画像を見て描くのでは「知れる」内容は大きく異なります。実際に見て、聞いて、五感で四方八方から尾道の風俗や雰囲気などの刺激を体感する事は、画像からどれだけ大量の情報を得る事よりも「尾道を知る」事であると感じました。風俗や雰囲気に限らず、尾道に住んでる方との交流や尾道で食べるもの、買うもの、触るもの等、画像からは得られない情報も現場で描く事で得ることができます。勿論、知らないものは描けないのでこの様な現地で現地を描くという事はより良い作品を描く事に繋がる貴重な体験だと感じました。実際この様に現地で描くのは難しく、街の人の協力があってこそ出来る事なので、今後もこの様な希少な機会を存分に堪能していきたいと感じました。
⑥「尾道を描く」 井口 1年 辻本 菜央
私は今回初めてこの「尾道を描く」写生大会に参加しました。この大会は,私にたくさんの感動や気づきを与えてくれました。
まず,何気ない日々の風景を描くことで,日ごろ気づくことのできなかった「美」を感じることができました。誰かに決められたものを,言われた通りに描くのではなく,自分が描きたいと思ったものを,思うままに描くことはやっぱり楽しいなと,いつも以上に思うことができました。
そして,何事も,初めに少しでも良いから計画を立てておくことの大切さを強く感じました。私は今回,絵を最後まで描き終えることができませんでした。制限時間のある中で,絵を描くことはとても難しく,この大会は自分にとって貴重な経験となりました。
私は,絵の具を使い,絵を描くことがあまり得意でなく,この大会でも納得いく絵が描けなかったので,今まで以上に努力をして,自分の技術を上げていきたいです。
⑦「写生大会を終えて」 山陽 2年 戸嶋 勇希
今回の写生大会については確かに克己はあるのかといわれるとなかったかもしれません。そんな僕がこの大会で勝つためには、もっと絵の具の扱いになれないといけないなと思いました。僕は普段、鉛筆とかで模写しかしない人間なので、絵の具で描く絵の知識や経験がほとんどありません。なのでまずは絵の具を使いまくって自分の思うように色を作ったり塗れるようにしないと始まらないのではないかと思います。後は描く場所ですが、当日に描く場所を決めると時間がないから早く決めないといけないななど暑さのせいでどうしても妥協してしまいます。ナノで場所選びは前日に決めた方がいいのではないかと思いました。複数人で同じ風景を描くのはもうやめた方がいいなと思いました。いろいろと気まずくなったりするので、絵を描く時に日ごろから何を描きたくて選んだのかと入ったことを意識していきたいと思いました。
⑧「写生大会で学んだこと」 三次青陵 1年 平戸 結
私がこの尾道合宿で学んだことは、時間配分の大切さです。
尾道らしい風景を2泊3日という短い期間で描くためには、ポイントを押さえ、下描きをし、着彩に早くから取りかかるべきであったと思います。
そして、他校の先生方のアドバイスなどを参考にして、絵の中で色々な技法を試すことにより、水彩画のおもしろみや、表現の仕方が分かり、今後にも活かすことができると思います。
来年の写生大会では、時間配分に気を付け、今回学んだことを利用して入選を目指してがんばろうと思います。
さらに、来年までたくさんの時間があるので、色々なことにチャレンジをし、たくさんの技法を身に付けておきたいと思います。来年がとても、楽しみです。
⑨「写生大会を終えて」 神辺旭 2年 若林 蓮花
「尾道を描く」写生大会を終え、まずは、無事に終わることができてよかったと思います。去年より一段と暑かったので、熱中症等に気をつけて写生大会に参加できました。また、写生の方も去年の自分と比べると成長したかなという部分も見つけることができたので嬉しく思っています。しかし、周りの方々と比べると、やはり全然レベルが違うので、もっと絵が上達できるように、これからも美術部での活動を頑張っていこうと思います。来年も参加できるなら参加したいです。
第23回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 平成30年8月1日(水)~3日(金)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市市民会館 ほか
- 参加生徒数(校数)
- 206人(34校)
- 参加校
- 福山誠之館,市立福山,高陽東,呉宮原,呉工業,福山葦陽,如水館,修大鈴峯女子,吉田,福山明王台,三次青陵,庄原実業,三次,熊野,県立広島,加計,福山商業,比治山女子,山陽,安古市,神辺旭,府中東,広島井口,祇園北,広島皆実,廿日市,三原,尾道東,暁の星,因島,総合技術,戸手,尾道商業
平成30年7月豪雨により被害をうけられた皆様に,心からお見舞い申しあげます。
本大会は7月豪雨の影響も残る中,206名の生徒が参加し開催されました。例年以上に厳しい猛暑の中,生徒たちの目は意欲に燃え,たくましく感じられました。
本大会では,生徒にとって描写やものの見方などの技術の向上はもちろん,尾道の地元の人や観光客の人とのふれあいや,多くの仲間や他校の先生との交流が人間的な成長に大きく貢献しています。周囲の生徒たちと切磋琢磨しあいながら制作し,最終日には大きな達成感を味わった生徒がほとんどではないでしょうか。完成した作品はどれも生徒たちの熱のこもった作品で,非常に見ごたえのあるものばかりでした。
毎年このように充実した大会が行えますのも,参加生徒自身の意識の高さと,その生徒を指導し,大会の運営にさまざまな形で関わって下さった顧問の先生方のご尽力のおかげと感謝いたします。さらにこの大会の共催として美術館などの場所の提供や運営の面での細かなサポートをしていただいた尾道市立美術館様,道端で絵を描く生徒に優しくお声かけいただき,見守ってくださった尾道市の皆様に厚くお礼を申し上げます。
また来年以降もこの大会を盛り上げ,さらに発展させるために皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
大会運営委員長 藤井 啓二
(広島県立府中東高等学校)
奨励賞
生徒感想文
①尾道の温かさ実感 広島皆実 2年 楠元 野乃佳
今回の大会に参加して,改めて尾道の方々の温かさを実感しました。特に今回は西日本豪雨の後で,尾道も断水するなど大きな被害を受けていました。そんなつらい状況の中でも協力して乗り越えようというような張り紙がいくつもあり,とても心が温かくなりました。
また,制作の合間には本当に多くの方々が「熱いけど大丈夫?」や「頑張ってね。」など声をかけてくださったので,くじけそうになった時に,頑張ろうと思って作品に向き合うことができました。そのように声をかけてくださった地域の方々やお店の方,先生や一緒に絵をかいていた仲間がいたからこそ私は作品を制作することができたのだと思います。
私は今回2回目の参加でしたが,まだまだ丁寧さや構図の取り方,描くスピードなど反省すべき点が多くありました。この反省と尾道で絵を描いて感じた温かさを忘れず次の自分の作品に生かし成長していきたいと思います。
②「尾道を描く」写生大会で分かったこと 熊野 2年 久保 寧々
私が今回の制作で分かったことは、自分の表したいことをどう描くかを、客観的に見つめることの大切さでした。私は制作中、絵にボンヤリとしたイメージしか持っておらず、方向性があやふやになってしまいました。アドバイスを自分でも取捨選択できず、左右されてしまった結果だと思います。また、講評会で色んな絵に対する、それぞれの高校の先生方のアドバイスを聞け、新しい知識や考え方が増えたと感じます。何より、他の人達の絵の進み方を見れたことで、自分との進め方の違いも分かり、どこから描いていくのか、どう塗ったらこういう絵になるのかが参考になりました。講評のとき、自分が良いと思っていた絵の人は優秀賞を貰いました。その人は最初からイメージが固まっていて、それに沿って描いていることが、制作過程を見ていて分かりました。1日目から、ゴールが見える絵でした。色んな考え方や表現方法等、この大会で学んだ経験を次に活かします。
③尾道を描く感想文 広島井口 1年 寺田 那奈
尾道でのこの三日間は,とても貴重な経験となりました。私はこの大会で初めて尾道を訪れました。古い建物から,懐かしさを感じながら絵を描くことができました。
私が描いた場所は,商店街裏の路地です。初めて通った時,何とも言えない雰囲気が気に入り,すぐに「ここを描こう」と思いました。しかし,線で描く段階から難しく,最初から苦戦しました。先生や同級生からのアドバイスを参考に少しずつ進めました。
特に心に残っているのは,尾道に住んでいる方々の心優しい言葉です。私が挨拶をすると「お疲れ様。暑い中がんばってるね。でも,熱中症にならないように気を付けてね。」と声をかけてくださりました。
初めて尾道に行き,初めて三日間絵を描き,初めてだらけでしたが,充実した大会になりました。とても良い経験になったので,来年も参加したいです。
④尾道を描く感想文 祇園北 2年 師井 千津瑠
今回の「尾道を描く」写生大会で,私が去年の大会よりもいくつか成長したなと思ったことがありました。
まずは画力の上達です。去年の作品は,パッと見て何が描いているのかは解るのですが,所々に雑さや色のムラが目立っていました。しかし今回は雑さをカバーするために丁寧に観察し,鮮やかな色合いでまとめることを意識しました。その他にもパースが狂わないように細心の注意を払いました。
しかし去年と比較して,一番変わったと感じているのは,絵を描くことがとても楽しく感じられたことです。こだわりすぎて,去年よりも時間的に厳しい状況でしたが,仲間と励ましあって作品を完成させることが出来ました。苦しい状況でも周りの人と助け合ったり,教えあったりしたことがこの合宿で一番心に残っています。
これらの点から私はこの1年での成長の成果を得られたと思っています。何よりも今まで頂いたことのない奨励賞を頂いたのはとても光栄なことでした。今回災害や暑さなどで参加するかどうか悩みましたが,参加して本当に良かったと感じています。
⑤第23回「尾道を描く」写生大会の感想文 呉工業 3年 辻 郁海
私は、こういった写生大会に参加するのは初めてだったのですが、参加してみてよかったなと思いました。大会初日、少し遅れての開始となり、焦りながらキャンバスに向かい絵を描いていました。他の学校の生徒の作品を見てみると、やはり焦りましたがその分集中して作業することが出来たと思います。
この大会の中で特に印象に残っているのは講評会の時に他の学校の先生から言われたアドバイスです。今まで言われたことのない技法や、考えてもみなかったことを次々と教えて下さり、今後絵を描くときにも役立ててみようと思いました。
3日間、今までに体験したことのない事が出来て、美術部員としてとても成長できたと思います。今回学んだことを糧にこれからも頑張っていきたいです。
⑥2度目の尾道合宿 三次青陵 2年 臺 拓哉
今年こそ入選しようという気持ちで写生大会に参加しました。でも、入選できませんでした。入選できなかったのには、大きく2つあると思います。
一つ目は、全体的に雑になってしまったことだと思います。例えば、足元の線が傾いていたり、建物などをあせって適当になってしまいました。
二つ目は、注目させたい物が中心に無かったことだと思います。早く下描きを済ませようとあせって忘れていました。
これらの失敗で、来年は落ちついて早く場所を決めて、雑にならないように気を付けて丁寧に描こうと思います。このような結果になりましたが、尾道はとても楽しかったです。ラーメンを食べたり、家族に買ったおみやげもすごく喜んでくれました。来年もまた、参加しようと思います。
⑦尾道を描く感想文 三原 1年 平野 朱紗
私は今回の写生大会に参加して,今まで知らなかったことを知り,いろいろなことを学びました。
小学校・中学校・高校という場所が,今までの私の世界でした。しかし,この写生大会でたくさんの高校生の人達と時間を共にして,世界はもっと広くて,絵が上手な人はもっとさくさんいるんだな,と知りました。そして,高校生でも,あのような伸びやかな表現や繊細な描写,三日間で描いたとは思えないクオリティをつくり出せるんだ,と思いました。
写生というと,見たそのままの景色をそのまま描き写すものばかりと思っていましたが,構図にこだわってみたり青でまとめてみたり細かく描きこんでみたりしている人がいたので,深いんだなと感じました。この経験を生かして,これからさらに深みのある絵を目指して描いていこうと思います。今回に写生大会に参加してよかったです。
⑧尾道を描く 如水館 3年 井出 愛音
私は今回の「尾道を描く」写生大会に参加し、尾道の魅力について改めて考え、知ることが出来ました。見慣れている尾道の風景ですが、制作を通してじっくり、しっかりキャンバスに向かい合うことで、今まで見えてこなかった空の色、海の色、山の色が複雑であることを再発見しました。私を魅了した尾道に面白さと誇りも感じました。
特に夕方の海に惹かれました。空の淡いピンク色、オレンジ色が水面にキラキラと映り込む様子に心動かされました。
今年は例年にない猛暑が続き、制作するにも大変でしたが、尾道の方の声掛けや気遣いが支えとなり、無事描き終えることが出来ました。また他校の作品も見ることができ、とても良い刺激になりました。3日間という短い時間でしたが貴重な体験が出来ました。
⑨「写生大会の感想」 福山誠之館 1年 水久保 七恵
今大会ではとても貴重な経験ができました。最初は不安な部分が多く、時間内にできるだろうか、他人と比べられるのは嫌だ、と消極的でしたが、いざ参加してみれば、人との交流で自分を深められたり、絵の技術が向上したりと、嬉しいことがありました。
特に嬉しかったのは、部内の同級生や先輩方と多く話せたことです。絵のアドバイスも聞きやすく、いつもより気軽に感想を伝えることができました。学校という枠から少し離れ、合宿で一緒に過ごしたからだと思います。良い時間を過ごすことができました。
また、3日間で絵が描けたことが私の自信になりました。提出した作品が完成形だとは言えませんが、集中すれば3日で絵が描けることが分かりました。
今回の大会で、人との関わりの大切さや自分の集中力、根気が分かりました。この体験を一時のものとして流すのではなく、きちんと認めて自分の人生に生かしていきます。
⑩「達成感のある合宿」 福山葦陽 2年 佐藤 実子
今回の「尾道を描く」写生大会において,去年参加した時の反省を活かし,いくつか目標を決めていました。その中でも,作品を最後まで描ききり,完成させるという目標は,去年未完成で終わってしまったという後悔から今年は絶対に!という気持ちで大会に臨みました。なので,今回の大会では作品を完成させることができたことが嬉しかったです。作品も,先生方から頂いたアドバイスや,講評などのおかげもあり,最初より更に良いものに仕上げることができました。部活内でも,お互いに協力し,励まし合うことで,充実した合宿になったと思います。多分,今回で高校最後の合宿になると思いますが,やはり達成感というものが大きかったです。2年生としての責任感や,行動力などもこの大会で大きく成長したのではないかと思います。作品は入選止まりでもう少し上を目指したかったけれど,この大会に参加できてよかったです。
⑪尾道を描く感想文 呉宮原 2年 毛利下 彩恵
私はこの大会に参加して尾道の素晴らしさに気づきました。美しい風景と優しい方々、宿舎の方や街の人から声を掛けてもらうなどの体験に出会って、暑い中でも絵を描くことを頑張ろうと思えました。私はこの大会に初めての参加だったので、初めての体験ばかりでしたが、同じ高校の仲間と励ましあって乗り越えることが出来ました。真剣に絵について考える機会となったので、どう描いて表現したらよいのかとても悩んだりもしましたが、最終的に自分のやりたいことが出来ました。また講評会などで他校の人の作品を見て、自分の絵をより良くするためにはどのように工夫すればよいか考えられたことが自分にとって貴重な経験になったと思います。他の人の絵の良いところを自分がこれから描いていく絵に取り入れていきたいと思いました。気温が大変高い中で行われたので、私自身が熱中症にならないかととても心配でしたが、無事元気な状態で大会を終えられたので、本当に良かったと思います。この経験を今後生かしていこうと思います。
第22回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 平成29年8月8日(月)~10日(水)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市市民会館 ほか
- 参加生徒数(校数)
- 198名(33校)
- 参加校
- 呉宮原,三次,賀茂,修大鈴峯女子,福山葦陽,加計,河内,吉田,熊野,県立広島,広島井口,市立福山,如水館,油木,安古市,高陽東,山陽,庄原実業,三次青陵,神辺旭,府中東,祇園北,近大付属福山,尾道東,福山商業,福山明王台,因島,暁の星,戸手,広島皆実,総合技術,廿日市,尾道商業
22回を数える本大会も例年と同じく200名を超える生徒が参加し開催されました。毎年のごとく夏の暑い日差しの中,開会式会場である尾道市立美術館に集まった生徒たちの目は意欲に燃え,夏の暑さがさらに増すかのように感じられました。
本大会では,生徒にとって描写やものの見方などの技術の向上はもちろん,尾道の地元の人や観光客の人とのふれあいや,多くの仲間や他校の先生との交流が人間的な成長に大きく貢献しています。周囲の生徒たちと切磋琢磨しあいながら制作し,最終日には大きな達成感を味わった生徒がほとんどではないでしょうか。
今回,最優秀賞を受賞した戸手高校3年 田村くるみさんの作品は,尾道の日常の一コマをありありと描いたような作品です。細い路地が描かれており,光と影が繊細に表現されています。両側の建物が迫ってくるような描き方も,まるで今自分自身が尾道の細い路地に迷い込んだかのように錯覚させるような非常に魅力的な作品です。
毎年このように充実した大会が行えますのも,参加生徒自身の意識の高さと,その生徒を指導し,大会の運営にさまざまな形で関わって下さった顧問の先生方のご尽力のおかげと感謝いたします。さらにこの大会の共催として美術館などの場所の提供や運営の面での細かなサポートをしていただいた尾道市立美術館様,道端で絵を描く生徒に優しくお声かけいただき,見守ってくださった尾道市の皆様に厚くお礼を申し上げます。
また来年以降もこの大会を盛り上げ,さらに発展させるために皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
大会運営委員長 藤井 啓二
(広島県立府中東高等学校)
奨励賞
①『何度も挑戦する』 広島井口高校 2年 鶴 朋恵
「尾道を描く」写生大会を通して私は,何度も挑戦する大切さを学びました。初めてこの大会に参加して,初めて3日間ずっと同じ景色を見ながら作品をつくって,私には初めてばかりの3日間でした。重い荷物を持って尾道へ向かう時,私は不安や緊張でいっぱいでした。でも真っ白なキャンバスとともに尾道を歩いた時,それまでの不安な気持ちは一切なくなり,これから挑戦していこうという気持ちが芽生えました。きっと尾道全体の空気がそうさせたのだと思います。冒頭で何度もと言ったように,私は何度も描き直しをしました。構図や配色,細かい所まで一から描き直したり,何度も悩んだり。それでも何度も諦めずに挑戦することができたのは,アドバイスや声をかけてくださった先生方,旅館など尾道の方々,友達,たくさんの人たちのおかげだと思っています。感謝しかありません。これから先,何度も諦めないで挑戦することを大切に日々努力していこうと思いました。
②『尾道写生大会を終えて』 加計高校 2年 横畠 樹里
今回の大会では,とにかく時間が足りなかったなと思いました。
去年もこの大会に参加したのですが,前回は,見たものをそのまま映しただけだったので,今回は,自分らしさを出しつつアレンジをしてみたいなという思いで描きました。前回も今回も,時間という点においては,反省ですが,自分なりのひと工夫はできたのではないかと思います。
まず,今回の目的はネオンカラーっぽく仕上げたいと思っていました。そのため,場所選びには本当に時間がかかりました。尾道はレトロな感じがイメージだと思います。ですが,正反対のネオンカラーを入れたかったので,そのようなアレンジが出来そうな場所を選ぶのは本当に難しかったです。
今回も,反省点はいくらかありますが,ちゃんと目的をもって実行することができたのが去年より成長した点だと思います。自分らしい絵を描くことを大切にこれからも頑張ります。
③『2年目の大会』 呉宮原高校 2年 奥村友香
今年私は,2年目の尾道写生大会に出場しました。昨年は時間が足りず,自分の納得のいく作品を描くことができなくてすごく悔しい思いをしたので,今年はうまく描けなくてもせめて自分がやりきったと思えるような作品を描こうと思いました。私が絵を描くために選んだ場所は尾道の海でした。海岸沿いに止まっている大きな船の印象と尾道水道と有名なエメラルドグリーンの美しい海を絵で表現できれば良いなと思い,その海を描こうと決めました。
最初はなかなか自分の思うように描けず苦戦したけれど,どんどんと塗っていくうちに自分がつけたいような色が入っていき,最後には今回の目標である,自分がやりきったと思えるような絵を完成させることができました。
今回の大会では,また新たに多くの発見がありました。この経験は次の作品に生かせるようにしていこうと思います。
④『尾道の魅力』 広島皆実高校 2年 長谷川健
私は尾道の写生をするにあたり,尾道の魅力は何処にあるのかについて考えて描き表しました。最初の1日目,その魅力を求めて私は様々な場所を訪れました。綺麗な海や川はもちろん,少し草木の生えた踏切や商店街など尾道には絵になる魅力的なスポットが沢山ありました。部活の仲間が次々に描く場所を決めていき,スポット選びに焦っていた私ですが,ふと1つ素晴らしい魅力を持った景色を見つけました。それは,誰も住んでいなさそうな古民家でした。外観はもはや廃屋で,黒や青のビニールシートで窓も閉ざされているような建物でした。
私はすぐにそれを描こうと決心しました。尾道にはこのような古い建造物が立ったままになっています。近代化されていないこのような茶色気のある街並みも尾道の魅力の1つだと思います。「絵の街尾道」の魅力を描くことができ,とても達成感を感じられる3日間になりました。
⑤『尾道を描く』 熊野高校 3年 平佐想乃佳
私が描いた尾道の風景は,商店街にある家々です。その場所は,他の場所と比べると目立たない印象でしたが,どことなく魅力を感じる場所でした。この雰囲気を表すためにも,まず「きれいに描かない」ということを目指しました。落ち着いた色を持っている家々をきれいで,鮮やかな色で描いてしまえば,その場所の魅力が失われてしまうからです。その分,沈んだ色合いの中にもどこか美しさを表現することに努めました。
外は暑く,ずっと描いていることがつらく感じることもありましたが,尾道の人々が声をかけてくださったことで元気に制作できました。尾道の人々の温かさを感じました。「尾道の色をよく引き出しているね。」と言葉をかけられたことが一番うれしかったです。
私は惜しくも入選できませんでした。しかし,実際に尾道の中で風景を描いたことで,尾道の良さを実感することができ,貴重な体験になったと感じています。
⑥『初』 市立福山高校 2年 安藤瑠那
初参加,初油絵だった私にとってこの3日間は過酷に思えました。最初のイメージではどれだけ風景を美しく再現できるかの戦いかなと漠然と思っていました。しかし現実には「精神力」が試されたように感じました。私は諸事情で途中参加でした。それに思いのほか日差しが強くて2日目は心身ともに苦しかったです。一方,ただしんどかっただけではなく,様々なことを学びました。
一つ目は技法です。油絵独特の風景の捉え方,表現の仕方が新鮮でした。まず単色で色を全体に塗ることでより絵に深みがでることが不思議でした。またペインティングナイフを用いる技法も学びました。
二つ目は前述したとおり,「精神力」をいかに付けられるかです、1日中完全に絵と向き合うことのむずかしさを感じました。
帰宅してすぐ絵を描いてみました。すると画力の向上に気が付きました。自然と絵を身に付けられる貴重な体験になりました。
⑦『初めての尾道と写生大会』 総合技術高校 1年 林穂乃里
私は今回初めて,写生大会に参加しました。限られた時間の中,外で風景を描くというのは今まで一度も経験したことがなく,思っていた以上にハードな3日間でした。私が,この写生大会で学んだことの中で,一番印象的なのは,見たそのままの風景をただ絵にするだけではなく,自分がその風景から感じ取った雰囲気を様々な色で表現していくのが大切ということです。雰囲気は目に見えないので,とても難しかったのですが,自分なりに表現できるよう頑張りました。
先生方がとても良いアドバイスをたくさん下さって,自分が成長できた3日間だったと思います。今回の反省点は,描くペースが遅かったために,納得ができないまま出品してしまったところです。来年も参加して,この3日間で学んだことを生かし,納得のできる作品を仕上げられるように頑張ろうと思います。
⑧『尾道を描く』 尾道商業高校 3年 倉持吉乃
私はこの大会に参加して,尾道の風景の美しさを改めて感じることができました。私は尾道に住んでいるので,尾道の風景はいつも見ていて,見慣れている景色でした。その見慣れている景色でもじっくりと見ようとしたこと今まででなかったで,この大会で尾道をしっかり見ることができたのは,よかったと思います。私は尾道の海や山などの自然と街並みのバランスが好きなので,海も山も空も街も描ける場所を選び,描きました。海の色を少しカラフルにしたり,空にもいろんな色味を加えてみたりして,できるだけ明るい絵にしようと思って描きました。尾道を描くのは初めてだったので,どんな風に描けばこの尾道の良さが伝わるのか悩みながら描きました。1日目も2日目も3日目も暑くて大変でしたが,集中して描くことができてよかったです。3年生になり,初めてこのような大会に参加したのですが,良い思い出になったなと思います。
⑨『いろんな言葉』 庄原実業高校 1年 松村千尋
私はこの写生大会に出てよかったなと思いました。なぜなら自分だったら気付けないことを他の人に気付いてもらえたり,教えてもらえたりしたからです。私は風景を描く経験が浅いので,気付けないことがたくさんありましたが,見落としていることを周りの人,先生から教えていただき,いろんな視点を知り多くの経験をすることができました。難しくて大変だなと思っていたことも,中には分かってよかったと思うものがあったので,よかったなと思いました。通りがかった人が,「大丈夫」「暑いね」と声をかけてくださるので、やる気がでて,集中することもできました。民宿で過ごす時も,優しい方がたくさんいたので,心地よく過ごせてよかったです。他の生徒の作品は形をさまざまな方法で,それぞれちがった描き方で描いていて,とても素敵だったので,賞を取ることはできなかったけれど,多くの経験をすることができたのでとてもよかったです。
⑩『充実した3日間』 因島高等学校 1年 須山支央里
私は,今回初めてこの大会に参加しました。
今までに風景画もアクリルもしたことがなかったので,迷ったりすることも多かったです。大会が始まるまで,不安が大きかったです。初めてアクリルを使って,すごく早く乾くのを感じました。また,上から色が重ねられるのでそういうところも良いと思いました。でも,やっぱり上手く使いこなせなくて,悔しいと思うことが多かったです。そんな中商店街を通る方々や,近くのお店の方々に「上手だね」と声をかけていただいたり,椅子の代わりのクッションを持ってきていただいたり,とても嬉しくて頑張ろうと思えました。
大会で,風景画やアクリルの面白さや楽しさを知ることができただけでなく,尾道の人の温かさも感じることができて,今まで以上に尾道が好きになりました。とても充実した3日間で今後に生かしていけるよう頑張ろうと思いました。
⑪『第22回尾道を描く写生大会に参加して』 三次青陵高校 1年 長谷倖希
私は今回初めてこの写生大会に参加しました。泊りがけで行う大会はどんなものなのだろうという期待で一杯でした。現地へ着き,開会式を終え,まず美術館を見学しました。忍たま乱太郎展ということで,忍たま乱太郎について,その他忍者が使用していたものなどが展示してありました。見学を終えて場所選びにいきましたが,あまり訪れたことの無い地でしたので,悩みました。悩み迷うほど,尾道の景色はどこを見ても絵になると思いました。悩みに悩んだ結果,私は路地を描くことに決めました。民宿へ行き,他校の先生に講評して頂き,その課題を宿や現地で修繕していきました。最終日は天候が心配されましたが,終わりに近づくに連れて天候も回復を見せ,良い天気になりました。この写生大会では,結果は残せませんでしたが,様々なものを教わりました。それは,技術以上にも,現地の方々の思いやりなどです。人が街を作ることの意味を改めて教わりました。
第21回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 平成28年8月16日(火)~18日(木)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市役所公会堂別館 ほか
- 参加生徒数(校数)
- 160人(25校)
- 参加校
- 福山葦陽、 呉宮原 、吉田 、市立福山、 祇園北、 三次青陵、 府中東、 福山商業 、高陽東 、鈴峯女子、 大手町商業 、神辺旭、 明王台 、県立広島 、山陽 、尾道東 、加計 、如水館 、河内、 三次 、廿日市 、因島 、広島皆実 、総合技術、 戸手
第21回(平成28年度)「尾道を描く」写生大会は2016ひろしま総文が大盛況のうちに閉幕し,その運営に携わった生徒も多数参加し開催されました。全国高等学校総合文化祭の影響で,参加生徒の意欲,意識は例年に比べて高く,制作に取り組む生徒の姿も非常に逞しく感じられました。
本大会では,生徒にとって描写やものの見方などの技術の向上はもちろん,尾道の地元の人や観光客の人とのふれあいや,多くの仲間や他校の先生との交流が人間的な成長に大きく貢献しています。周囲の生徒たちと切磋琢磨しあいながら制作し,最終日には大きな達成感を味わった生徒がほとんどではないでしょうか。
これもひとえに,参加生徒自身の意識の高さと,その生徒を指導し,大会の運営にさまざまな形で関わって下さった顧問の先生方のご尽力のおかげと感謝いたします。さらにこの大会の共催として美術館などの場所の提供や運営の面での細かなサポートをしていただいた尾道市立美術館様,道端で絵を描く生徒に優しくお声かけいただき,見守ってくださった尾道市の皆様に厚くお礼を申し上げます。
また来年以降もこの大会を盛り上げ,さらに発展させるために皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
大会運営委員長 藤井 啓二
(広島県立府中東高等学校)
奨励賞
①『今年と今までの大会を振り返って』 K高校 3年
まず私にとってのこの尾道の写生大会というのは美術部に入部して初めて感じた大きな壁でもありました。3日間の写生大会は当時の私にとって過酷で力不足に落ち込み,入賞した作品のクオリティに憧れました。そしていつか入賞するのが私の高校生活・部活の課題であり目標でした。毎年参加するのが楽しみで自分の思う作品が描けるかが不安でしたが,先輩の作品や入賞した作品を見て勉強させてもらったことにより,毎年成長できたと思います。写生をするときに何を大切にしなければいけないか,自分はどういったテーマで描いていくのか,尾道の写生大会があったからこそ学べたんだと思います。賞をいただけたのは嬉しかったですが,これからは賞にこだわらず,自分が感じた事を大切に表現できるような絵を描けたらいいなと思います。今後,尾道で学んだ事を糧に成長していきたいです。どうもありがとうございました。
②『尾道を描くうえで』 K高校 2年
私は今回で「尾道を描く」写生大会に参加するのは2回目です。前回は山の絵を描いたので,今回は海を描きました。まず,海を描く上で難しかったところは,海をどうやって彩り豊かなものにするかという点です。物体が水の映り込んだ姿,色や光の反射等で色を加えるようにしました。山も緑や黄色に見えますが,単色にならないようにということに気をつけました。私は尾道に行って改めて人の心の温かさを知りました。町を歩く人々の笑い声,話す声,私に優しく話しかけてくれる人。多くの人々の声や心に触れながら尾道を描いていました。描いていてとても楽しい町でした。
③『初めての写生大会』 K高校 1年
今回の「尾道を描く」写生大会で,初めて一日中絵のことしか考えず,真剣に取り組んだ三日間を過ごしました。私たちの学校は全体的に他の学校の生徒さんよりも少し遅れをとっていて,少し焦りました。少しでも追いつこうと宿で夜遅くまで進めました。高校から美術を始め,わからない事ばかりでした。離して見るとなんだかおかしくて,でもなぜおかしいのか分からずとても悩みました。それでも先生方のアドバイスでなるほどと思うことが多くありました。一日中絵を描くのはこんなにも疲れることなのかと思いました。しかし,店先を貸していただいたお店の方や,そのお店のお客さんから「だいぶ進んだね。」と声をかけていただき焦りが少し和らいで,温かい気持ちになりました。外に出てその場で絵を描くのも初めてで,たくさんの良い経験ができた写生大会でした。
④『炎天下の中で…』 M高校 2年
異常な程に暑い気温の中,私は絵を描いた。陰もない座るところもない中私は舟の絵を描き続けた。なぜ舟にしたのかというと,舟は描き込みがいがあって海を描くのも楽しそうだし海辺なら涼しいのではないかという気持ちを持っていたからだ。だが,舟の構造は複雑で海の模様を描くのにもなかなかてこずった。そして何より暑さが僕の体力と集中力を奪っていった。刻々と迫る時間,渇くのど,ひたいと手から出る汗で,これ以上にないほどで私の制作スピードは下がっていた。そして最終日,ほとんど完成しないまま迎えてしまった。焦る中でも気温が私のやる気を奪っていく。結局何とか色はぬれたがそれでも満足できるものはできなかった。今度参加する時は自分の納得できるものが描ければいいなと思う。
⑤『合宿で学んだこと』 F高校 1年
私はこの大会に参加して油絵と風景画についての理解が深まりました。私は今回初めて油絵に挑戦しました。今まで使っていた絵の具とは違い,慣れないことが多く大変でした。しかし,慣れないなりに楽しみながら描くことができました。私は風景画を描いたことも少なかったので,どのようなものなのかよく分かりませんでした,しかし,合宿中に他校の先生から様々なアドバイスをいただき,風景画とは何なのかが前より分かりました。写真とは違い,描き方や使う色によって,自分の思いを伝えることができるというのは新しい発見でした。この3日間でたくさんの経験ができ,自分の知識と視野が広がりました。他校の生徒や先輩方の作品を見て,いい刺激を受けることができました。これらのことを活かしてこれからの部活動も頑張りたいです。
⑥『「尾道を描く」写生大会に参加して』 J高校 2年
今回この大会に参加して,非常に良い経験をすることが出来ました。わたしは今までこのような泊りがけでの写生大会を経験したことがなく,3日にわたって長時間絵を描き続けることは楽ではありませんでした。猛暑で気温の高い環境や,突然の雨にも悩まされました。
しかし,期間内に1枚の絵を描き上げたことは,何よりも自信に繋がったと感じます。私は描くスピードがあまり速い方ではないので時間内に描き上げることが出来るか不安でしたが,他校の先生方のご指導や美術部の先輩・後輩,そして同級生の支えがあって絵を完成させることが出来ました。これは1人ではできなかった経験だと思います。この経験を通して,絵を描くことは様々な人の支えや影響の上に成り立っているのだと考えるようになりました。これからも支えてくださる人々への感謝を忘れずに,絵を描き続けていきたいです。
⑦『初めての尾道で』 T高校 2年
今回初めて「尾道を描く」写生大会に参加しました。2泊3日という少ない時間の中で描くというのは大変でした。街中を見ると,いたるところに絵を描いている生徒がいて,とても刺激になりました。私は山の中で一人で絵を描いていて,どれくらい進んでいたらいいのかの目安が分からず不安でした。それに,ほかの生徒の作品はもう佳境まで入っていて,自分も頑張らないと!といい意味で追い込まれました。今回はすべてを丁寧に描くことができませんでした。最後の仕上げがおざなりになってしまったので残念でした。だから来年は最後までやりぬけるように頑張っていきたいです。