第23回「尾道を描く」写生大会
- 事業名
- 第23回「尾道を描く」写生大会
- 審査日
- 平成30年8月1日(水)~3日(金)
- 大会会場
- 尾道市立美術館 尾道市市民会館 ほか
- 参加生徒数(校数)
- 206人(34校)
- 参加校
- 福山誠之館,市立福山,高陽東,呉宮原,呉工業,福山葦陽,如水館,修大鈴峯女子,吉田,福山明王台,三次青陵,庄原実業,三次,熊野,県立広島,加計,福山商業,比治山女子,山陽,安古市,神辺旭,府中東,広島井口,祇園北,広島皆実,廿日市,三原,尾道東,暁の星,因島,総合技術,戸手,尾道商業
平成30年7月豪雨により被害をうけられた皆様に,心からお見舞い申しあげます。
本大会は7月豪雨の影響も残る中,206名の生徒が参加し開催されました。例年以上に厳しい猛暑の中,生徒たちの目は意欲に燃え,たくましく感じられました。
本大会では,生徒にとって描写やものの見方などの技術の向上はもちろん,尾道の地元の人や観光客の人とのふれあいや,多くの仲間や他校の先生との交流が人間的な成長に大きく貢献しています。周囲の生徒たちと切磋琢磨しあいながら制作し,最終日には大きな達成感を味わった生徒がほとんどではないでしょうか。完成した作品はどれも生徒たちの熱のこもった作品で,非常に見ごたえのあるものばかりでした。
毎年このように充実した大会が行えますのも,参加生徒自身の意識の高さと,その生徒を指導し,大会の運営にさまざまな形で関わって下さった顧問の先生方のご尽力のおかげと感謝いたします。さらにこの大会の共催として美術館などの場所の提供や運営の面での細かなサポートをしていただいた尾道市立美術館様,道端で絵を描く生徒に優しくお声かけいただき,見守ってくださった尾道市の皆様に厚くお礼を申し上げます。
また来年以降もこの大会を盛り上げ,さらに発展させるために皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
大会運営委員長 藤井 啓二
(広島県立府中東高等学校)
奨励賞
生徒感想文
①尾道の温かさ実感 広島皆実 2年 楠元 野乃佳
今回の大会に参加して,改めて尾道の方々の温かさを実感しました。特に今回は西日本豪雨の後で,尾道も断水するなど大きな被害を受けていました。そんなつらい状況の中でも協力して乗り越えようというような張り紙がいくつもあり,とても心が温かくなりました。
また,制作の合間には本当に多くの方々が「熱いけど大丈夫?」や「頑張ってね。」など声をかけてくださったので,くじけそうになった時に,頑張ろうと思って作品に向き合うことができました。そのように声をかけてくださった地域の方々やお店の方,先生や一緒に絵をかいていた仲間がいたからこそ私は作品を制作することができたのだと思います。
私は今回2回目の参加でしたが,まだまだ丁寧さや構図の取り方,描くスピードなど反省すべき点が多くありました。この反省と尾道で絵を描いて感じた温かさを忘れず次の自分の作品に生かし成長していきたいと思います。
②「尾道を描く」写生大会で分かったこと 熊野 2年 久保 寧々
私が今回の制作で分かったことは、自分の表したいことをどう描くかを、客観的に見つめることの大切さでした。私は制作中、絵にボンヤリとしたイメージしか持っておらず、方向性があやふやになってしまいました。アドバイスを自分でも取捨選択できず、左右されてしまった結果だと思います。また、講評会で色んな絵に対する、それぞれの高校の先生方のアドバイスを聞け、新しい知識や考え方が増えたと感じます。何より、他の人達の絵の進み方を見れたことで、自分との進め方の違いも分かり、どこから描いていくのか、どう塗ったらこういう絵になるのかが参考になりました。講評のとき、自分が良いと思っていた絵の人は優秀賞を貰いました。その人は最初からイメージが固まっていて、それに沿って描いていることが、制作過程を見ていて分かりました。1日目から、ゴールが見える絵でした。色んな考え方や表現方法等、この大会で学んだ経験を次に活かします。
③尾道を描く感想文 広島井口 1年 寺田 那奈
尾道でのこの三日間は,とても貴重な経験となりました。私はこの大会で初めて尾道を訪れました。古い建物から,懐かしさを感じながら絵を描くことができました。
私が描いた場所は,商店街裏の路地です。初めて通った時,何とも言えない雰囲気が気に入り,すぐに「ここを描こう」と思いました。しかし,線で描く段階から難しく,最初から苦戦しました。先生や同級生からのアドバイスを参考に少しずつ進めました。
特に心に残っているのは,尾道に住んでいる方々の心優しい言葉です。私が挨拶をすると「お疲れ様。暑い中がんばってるね。でも,熱中症にならないように気を付けてね。」と声をかけてくださりました。
初めて尾道に行き,初めて三日間絵を描き,初めてだらけでしたが,充実した大会になりました。とても良い経験になったので,来年も参加したいです。
④尾道を描く感想文 祇園北 2年 師井 千津瑠
今回の「尾道を描く」写生大会で,私が去年の大会よりもいくつか成長したなと思ったことがありました。
まずは画力の上達です。去年の作品は,パッと見て何が描いているのかは解るのですが,所々に雑さや色のムラが目立っていました。しかし今回は雑さをカバーするために丁寧に観察し,鮮やかな色合いでまとめることを意識しました。その他にもパースが狂わないように細心の注意を払いました。
しかし去年と比較して,一番変わったと感じているのは,絵を描くことがとても楽しく感じられたことです。こだわりすぎて,去年よりも時間的に厳しい状況でしたが,仲間と励ましあって作品を完成させることが出来ました。苦しい状況でも周りの人と助け合ったり,教えあったりしたことがこの合宿で一番心に残っています。
これらの点から私はこの1年での成長の成果を得られたと思っています。何よりも今まで頂いたことのない奨励賞を頂いたのはとても光栄なことでした。今回災害や暑さなどで参加するかどうか悩みましたが,参加して本当に良かったと感じています。
⑤第23回「尾道を描く」写生大会の感想文 呉工業 3年 辻 郁海
私は、こういった写生大会に参加するのは初めてだったのですが、参加してみてよかったなと思いました。大会初日、少し遅れての開始となり、焦りながらキャンバスに向かい絵を描いていました。他の学校の生徒の作品を見てみると、やはり焦りましたがその分集中して作業することが出来たと思います。
この大会の中で特に印象に残っているのは講評会の時に他の学校の先生から言われたアドバイスです。今まで言われたことのない技法や、考えてもみなかったことを次々と教えて下さり、今後絵を描くときにも役立ててみようと思いました。
3日間、今までに体験したことのない事が出来て、美術部員としてとても成長できたと思います。今回学んだことを糧にこれからも頑張っていきたいです。
⑥2度目の尾道合宿 三次青陵 2年 臺 拓哉
今年こそ入選しようという気持ちで写生大会に参加しました。でも、入選できませんでした。入選できなかったのには、大きく2つあると思います。
一つ目は、全体的に雑になってしまったことだと思います。例えば、足元の線が傾いていたり、建物などをあせって適当になってしまいました。
二つ目は、注目させたい物が中心に無かったことだと思います。早く下描きを済ませようとあせって忘れていました。
これらの失敗で、来年は落ちついて早く場所を決めて、雑にならないように気を付けて丁寧に描こうと思います。このような結果になりましたが、尾道はとても楽しかったです。ラーメンを食べたり、家族に買ったおみやげもすごく喜んでくれました。来年もまた、参加しようと思います。
⑦尾道を描く感想文 三原 1年 平野 朱紗
私は今回の写生大会に参加して,今まで知らなかったことを知り,いろいろなことを学びました。
小学校・中学校・高校という場所が,今までの私の世界でした。しかし,この写生大会でたくさんの高校生の人達と時間を共にして,世界はもっと広くて,絵が上手な人はもっとさくさんいるんだな,と知りました。そして,高校生でも,あのような伸びやかな表現や繊細な描写,三日間で描いたとは思えないクオリティをつくり出せるんだ,と思いました。
写生というと,見たそのままの景色をそのまま描き写すものばかりと思っていましたが,構図にこだわってみたり青でまとめてみたり細かく描きこんでみたりしている人がいたので,深いんだなと感じました。この経験を生かして,これからさらに深みのある絵を目指して描いていこうと思います。今回に写生大会に参加してよかったです。
⑧尾道を描く 如水館 3年 井出 愛音
私は今回の「尾道を描く」写生大会に参加し、尾道の魅力について改めて考え、知ることが出来ました。見慣れている尾道の風景ですが、制作を通してじっくり、しっかりキャンバスに向かい合うことで、今まで見えてこなかった空の色、海の色、山の色が複雑であることを再発見しました。私を魅了した尾道に面白さと誇りも感じました。
特に夕方の海に惹かれました。空の淡いピンク色、オレンジ色が水面にキラキラと映り込む様子に心動かされました。
今年は例年にない猛暑が続き、制作するにも大変でしたが、尾道の方の声掛けや気遣いが支えとなり、無事描き終えることが出来ました。また他校の作品も見ることができ、とても良い刺激になりました。3日間という短い時間でしたが貴重な体験が出来ました。
⑨「写生大会の感想」 福山誠之館 1年 水久保 七恵
今大会ではとても貴重な経験ができました。最初は不安な部分が多く、時間内にできるだろうか、他人と比べられるのは嫌だ、と消極的でしたが、いざ参加してみれば、人との交流で自分を深められたり、絵の技術が向上したりと、嬉しいことがありました。
特に嬉しかったのは、部内の同級生や先輩方と多く話せたことです。絵のアドバイスも聞きやすく、いつもより気軽に感想を伝えることができました。学校という枠から少し離れ、合宿で一緒に過ごしたからだと思います。良い時間を過ごすことができました。
また、3日間で絵が描けたことが私の自信になりました。提出した作品が完成形だとは言えませんが、集中すれば3日で絵が描けることが分かりました。
今回の大会で、人との関わりの大切さや自分の集中力、根気が分かりました。この体験を一時のものとして流すのではなく、きちんと認めて自分の人生に生かしていきます。
⑩「達成感のある合宿」 福山葦陽 2年 佐藤 実子
今回の「尾道を描く」写生大会において,去年参加した時の反省を活かし,いくつか目標を決めていました。その中でも,作品を最後まで描ききり,完成させるという目標は,去年未完成で終わってしまったという後悔から今年は絶対に!という気持ちで大会に臨みました。なので,今回の大会では作品を完成させることができたことが嬉しかったです。作品も,先生方から頂いたアドバイスや,講評などのおかげもあり,最初より更に良いものに仕上げることができました。部活内でも,お互いに協力し,励まし合うことで,充実した合宿になったと思います。多分,今回で高校最後の合宿になると思いますが,やはり達成感というものが大きかったです。2年生としての責任感や,行動力などもこの大会で大きく成長したのではないかと思います。作品は入選止まりでもう少し上を目指したかったけれど,この大会に参加できてよかったです。
⑪尾道を描く感想文 呉宮原 2年 毛利下 彩恵
私はこの大会に参加して尾道の素晴らしさに気づきました。美しい風景と優しい方々、宿舎の方や街の人から声を掛けてもらうなどの体験に出会って、暑い中でも絵を描くことを頑張ろうと思えました。私はこの大会に初めての参加だったので、初めての体験ばかりでしたが、同じ高校の仲間と励ましあって乗り越えることが出来ました。真剣に絵について考える機会となったので、どう描いて表現したらよいのかとても悩んだりもしましたが、最終的に自分のやりたいことが出来ました。また講評会などで他校の人の作品を見て、自分の絵をより良くするためにはどのように工夫すればよいか考えられたことが自分にとって貴重な経験になったと思います。他の人の絵の良いところを自分がこれから描いていく絵に取り入れていきたいと思いました。気温が大変高い中で行われたので、私自身が熱中症にならないかととても心配でしたが、無事元気な状態で大会を終えられたので、本当に良かったと思います。この経験を今後生かしていこうと思います。